相続に詳しい弁護士と相続に詳しくない弁護士の違いは何ですか?
1 得意分野に特化している弁護士は少ない
医師は内科、外科、皮膚科、耳鼻咽頭科などの専門分野に特化しているため、通常、異なる分野についての診察を行っていません。
しかし、弁護士の業界では、今もすべての分野を取り扱う弁護士事務所が多く、得意分野に特化している弁護士は多くはありません。
2 相続は法律・税金・不動産・登記・保険などのあらゆる知識が問われる
相続では、生前の相続対策はもちろん、誰がどの遺産をもらうのかという遺産分割においても、最善の解決を行うためには、法律だけでなく税金・不動産・登記・保険などのあらゆる知識・理解が必要です。
例えば、相続税の申告期限までに遺産分割が終わらない場合は、一旦、法定相続分で相続したという前提で納税をすることになります。
その際に、税務署に対して「3年以内に遺産分割が終わる見込書」という書類を提出しておかなければ、後から払いすぎた相続税を返してもらうことができなくなってしまいます。
相続が得意な弁護士であれば、当然このような手続きについて知っていますので、遺産分割の際にアドバイスをさせていただきます。
ただ、弁護士のなかには、相続税は税理士の分野であって弁護士は関係がないと考えている者もいます。
そのような弁護士の場合、適切なアドバイスを行うことができず、結果として払いすぎた相続税が返ってこなくなってしまうおそれがあります。
また、遺言書や遺産分割協議書を作成する際には、それらの書類を用いて不動産登記の名義変更や預貯金の払戻し手続きを行うため、法務局や金融機関で手続きができる内容でなければなりません。
相続の手続きに慣れた弁護士であれば、当然これらの手続きをスムーズに行うことを考えて作成します。
しかし、相続が得意でない弁護士のなかには、これらの事後の相続手続きを考慮せずに書類を作成してしまうこともあるようですので、弁護士を選ぶ際に注意が必要です。
相続について依頼する弁護士をどのように選べばよいですか? 相続「専門」とホームページに表記する弁護士に依頼すべきですか