弁護士による相続相談【弁護士法人心 名古屋法律事務所】

相続放棄の期限

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年10月4日

1 債務の有無はすぐに調査が必要

もし、亡くなった方に多額の債務があった場合、相続人は相続放棄を検討する必要があります。

ここでいう債務には、住宅ローン、車のローン、消費者金融からの借入れなどが挙げられます。

また、何らかの事故などで、第三者に怪我を負わせたり、高価な物を壊したりしたことによる賠償金も含まれます。

債務の調査には、多くの時間がかかります。

そのため、相続発生後はすぐに調査をする必要があります。

2 相続放棄の期限は3か月

相続放棄の期限は、わずか3か月しかありません。

しかし、債務の調査をする場合は、債務に関する情報を管理している信用情報機関に問い合わせたり、亡くなった方の家に届く請求書や督促状を探したり、通帳からの引き落としの履歴を遡ったりと、様々なものを確認する必要があります。

特に、消費者金融や、銀行に対する債務がないかについては、念入りに調べなければなりません。

債務を調査するためには、相応の期間が必要になるため、相続放棄の準備と同時並行で行う必要があります。

3 プラスの財産の調査も期限内に調査する必要がある

仮に債務があったとしても、プラスの財産の方が多ければ、相続放棄をする必要はありません。

そのため、相続放棄をするのであれば、プラスの財産についても調査を行う必要があります。

まず、亡くなった方の預貯金に関する調査が必要です。

もし、ご自宅に通帳がある場合は、その通帳をヒントにして銀行で預金残高を調べます。

また、遺産の中に不動産がないかも調べる必要があります。

もし、不動産を持っている場合は、毎年、固定資産税を払うよう通知が届いているため、その通知を探します。

通知がない場合は、役場で不動産の一覧表を取得する必要があります。

不動産がある可能性があるようでしたら、心当たりがある市区町村で調査を行ってください。

4 3か月の期限に間に合わない場合は期限を延長する

相続放棄をするかどうかの検討は、債務の調査と、プラスの財産の調査を同時に行う必要があります。

これらの調査は、決して簡単なものではなく、調査のために3か月以上の期間が必要となるケースもあります。

そのため、相続放棄の期限を延長するための手続きがあります。

相続放棄をするかどうか迷っている場合や、調査に時間がかかりそうな場合は、とりあえず、期限の延長手続きを行うことをおすすめします。

延長の手続きは裁判所で行う必要があるため、検討する際は弁護士に相談することをおすすめします。

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