弁護士による相続相談【弁護士法人心 名古屋法律事務所】

相続税にも強い弁護士に相談すべき理由は何ですか?

  1. 1 一般的な弁護士は,税金についての詳しい知識を持っていません。

    このため,税金の申告が必要になる場面では,別に税理士に依頼し,その税理士と新たにやり取りをしていく必要があることとなります。

  2. 2 ところが,相続の場面では,弁護士が関与する領域と税理士が関与する領域が密接にリンクしていることがあります。

    このため,弁護士が税金のことを知らずに交渉を進めてしまうと,税金上,不利な取扱いがされる恐れもあります。

    特に小規模宅地等の特例を利用する場合には,以下で述べるように,税金を意識しつつ,相手方との交渉を進めていく必要があります。

    1. ⑴ 誰が不動産を取得するかに注意する

      被相続人が所有する一定の土地については,小規模宅地等の特例を適用することにより,限度面積まで,土地の評価額を20~50%まで減額することができます。

      代表的な例としては,被相続人と同居していた親族が居住する建物の底地,被相続人が事業に用いていた土地等があります。

      注意しなければならないのは,これらの土地については,特定の者が取得しなければ,特例を適用することができないということです。

      被相続人と同居していた親族が居住する建物の底地については,同居していた親族が底地を取得すれば特例を適用することができますが,同居していない親族(配偶者を除く)が底地を取得すれば特例を適用することができなくなってしまいます。

      被相続人が事業に用いていた土地についても,事業を引き継いだ相続人が取得する場合に限り,特例を適用することができます。

      土地の評価額は何千万円になることもありますので,特例を適用することができず,評価額を20~50%まで減額できなかったために,多額の税金を納めなければならなくなるといった事態も生じ得ます。

      このことから,特例を適用できるかどうかを検討することが,とても重要であることが分かります。

      このように,小規模宅地等の特例が適用し得る場面では,弁護士が関与する交渉段階から,誰が取得すれば特例を適用することができるのかを考慮するのが望ましいということができます。

      こうした交渉を行うためには,相続税にも強い弁護士の関与が望まれるところです。

    2. ⑵ 申告の期限に注意する

      小規模宅地等の特例の適用を受ける場合には,遺産分割協議が成立してから4か月以内に,更正の請求書を税務署に提出する必要があります。

      4か月の期間内に更正の請求書を提出できなければ,特例の適用を受けることができません。

      したがって,更正の請求書の提出を忘れていたがために,特例を適用することができず,評価額を20~50%まで減額できず,多額の税金を納めなければならなくなるといった事態も生じ得ることとなります。

      こうした手続上の過誤を避けるためにも,相続税にも強い弁護士の関与が望まれます。

    3. ⑶ 他の相続人の同意を得る

      小規模宅地等の特例の対象となる土地が複数あり,これらの土地の面積の合計が限度面積を超えている場合は,どの土地に特例を適用するかについて,他の相続人の同意を得る必要があります。

      他の相続人の同意を得ることができなければ,小規模宅地等の特例の適用を受けることができなくなってしまいます。

      このような場合には,弁護士が関与する交渉段階から,特例の適用を見据えつつ,同意を得るための交渉も並行して行うことが望ましいです。

      相続税にも強い弁護士であればこそ,こうした交渉を行うことも期待できます。

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