相続「専門」とホームページに表記する弁護士に依頼すべきですか
1 「相続専門」と記載することについて
⑴ はじめに
相続問題で弁護士に頼もうとするとき,どのような弁護士に頼もうと考えるでしょうか。
たいていの方は,相続に詳しい弁護士,相続を専門としている弁護士に依頼したいと考えるのが自然だと思います。
しかし,相続「専門」と表示しているホームページはそこまで多くありません。
⑵ 日本弁護士連合会(日弁連)の方針
なぜなら,「専門」と表示することは,日弁連が定める業務広告に関する指針によって,表示を控えることが望ましいとされているからです。
一般的に,専門分野といえば,その分野について経験が豊富で処理能力が優れていることが期待されます。
例えば,医者であれば,専門医制度が確立され,一定要件を満たすことで専門医を名乗ることができます。
それに対し,現状の司法制度において,専門分野と認められるための基準が存在しません。
このように客観性が担保されないまま,それぞれの弁護士が勝手に専門分野を表示すれば,国民が誤って誘導されるおそれがあり,国民の利益を害し,その結果,弁護士全体に対する国民の信頼を失うことが考えられるので,日弁連は「専門」表示をしないように指針を出しているのです。
2 「相続専門」とホームページに記載する弁護士に依頼すべきか
日弁連は,「専門」という表示を控えるよう弁護士に求めており,代わりに,「得意分野」という主観的評価を含む表示を認めています。
また,「積極的に取り組んでいる分野」「関心のある分野」「取扱い分野」「取扱い業務」という表示も認めています。
このような状況において,あえて「専門」という表示をしている弁護士は,国民に対して誤解を与える可能性があると知りつつ,あるいは,日弁連の指針を知らず,表示しているのであって,依頼するかどうかは慎重に判断した方がよいと思われます。
弁護士法人心では,「相続専門」という表現は控えていますが,相続には力を入れて取り組んでいますので,相続でお困りの際は,お気軽にご相談ください。
相続に詳しい弁護士と相続に詳しくない弁護士の違いは何ですか? 弁護士であれば当然相続税についても配慮してくれるのではないのですか?