弁護士による相続相談【弁護士法人心 名古屋法律事務所】

遺留分の割合

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2024年7月18日

1 遺留分をもらえる人ともらえない人

⑴ 遺留分について

遺留分は、相続人に認められた最低限度の権利です。

仮に、特定の相続人に全財産を相続させる旨の遺言がされたとしても、他の相続人は、最低限の権利として遺留分の請求を行うことができます。

もっとも、すべての相続人が遺留分の権利を持っているわけではないため、注意が必要です。

⑵ 遺留分の権利がある相続人

遺留分の権利を持つ相続人は、配偶者、子、親に限られます。

子がすでに亡くなっている場合は、孫が遺留分の権利を持ちます。

同様に、親が相続人になるケースで、すでに親が亡くなっている場合は、祖父母が遺留分の権利を持つことになります。

なお、相続権は、子や孫などの直系の子孫が最優先の権利を持ちます。

そのため、子や孫がいる場合は、子や孫が相続放棄をしない限り、親や祖父母が相続権を持つことはなく、遺留分の権利も持ちません。

他方、配偶者は、常に最優先の権利を持つ相続人と同順位の権利を持っているため、子や孫が相続人になる場合はもちろん、親や祖父母が相続人になる場合でも、遺留分の権利を持ちます。

⑶ 遺留分の権利がない相続人

法律上、第3順位ではありますが、兄弟姉妹や、甥姪も相続権を持つことができます。

しかし、第3順位の相続人である兄弟姉妹や、甥姪は遺留分の権利が認められていません。

このように、兄弟姉妹については、相続の権利と遺留分の権利とで事情が異なるため、注意が必要です。

2 遺留分の割合

法律上、相続人の遺留分は、原則として法定相続分の半分と定められています。

例えば、配偶者であれば、法定相続分が2分の1のため、遺留分はその半分の4分の1ということになります。

相続人が配偶者と子ども3名の場合は、配偶者は先ほどと同じく4分の1ですが、子どもは4分の1の権利を3人で分けることになるため、1人当たり12分の1の権利を持つことになります。

他方、相続人が親や祖父母のみの場合は、例外的に3分の1の半分である6分の1が遺留分になります。

3 遺留分の額は割合以外の要素も重要

遺留分の額を決める際には、生前贈与や遺言書による遺産の相続も重要な要素になります。

例えば、遺留分の割合だけでいえば、500万円の遺留分を請求できるケースであっても、その相続人が500万円の生前贈与を受けている場合は、ほとんど遺留分がもらえないことになります。

そのため、遺留分の計算をする際は、単純に割合だけ注目するのではなく、割合以外の要素も考慮して計算をしなければなりません。

このように、遺留分の計算は非常に複雑であるため、遺留分については弁護士に相談することをおすすめします。

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