相続では弁護士費用を誰が支払うのですか?
1 相続人の誰が支払うかは契約で自由に決められます
弁護士費用は、お客様と弁護士の契約に基づいて決められますので、複数の相続人が共同で依頼する場合は、各相続人がどの程度弁護士費用を負担するかを、自由に決めることができます。
そのため、法定相続分が多い相続人が、弁護士費用を多めに負担するなどのご契約内容も可能です。
2 弁護士費用を遺産から後払いで支払うことも可能
弁護士事務所によって異なりますが、弁護士費用を完全に後払いにすることも可能です。
遺産相続の場合、遺産が手元に入らないと、弁護士費用をご自身で用意していただく必要があるため、その負担について心配される方もいらっしゃいます。
そのため、弁護士事務所のなかには、弁護士費用を遺産が手元に入った後にいただく、後払い制を採用しているところもありますので、費用の支払い方法について事前にご確認いただくことをおすすめします。
特に、調停や審判などの手続きになった場合には、解決までに1年~3年などの時間がかかることもあり、後払い制では受けていない弁護士事務所もあるようですので、契約の際に弁護士に必ずご確認ください。
弁護士法人心では、後払いで対応させていただくことも可能ですので、担当の弁護士にご遠慮なくご希望をお伝えください。
3 弁護士費用の決め方にご注意
弁護士と契約をする際には、報酬金額の取り決め方をよくご確認ください。
例えば、弁護士法人心の場合は、着手金を0円にさせていただき、獲得した経済的利益の何%という形で報酬金を定めさせていただくことがあります。
このような定め方であれば、あくまでも相続人の方の手元に入った遺産の何%という形で報酬金額が決まりますので、相続人の方が持ち出しで負担する必要はありません。
また、あえて着手金を無料やお安くさせていただくことで、弁護士側にも早めに解決しようとの動機が働きます。
弁護士事務所のなかには、高額な着手金をいただいていながら、案件を放置したり、ダラダラとすすめたりと案件解決までに非常に時間がかかることもあるようですので、注意が必要です。
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相続の弁護士費用の目安
1 費用の名目について
弁護士は、業界の慣行として、着手金と成功報酬金という2段階で費用をいただくことが多くあります。
着手金は、ご依頼いただいたときにお支払いいただく費用であり、成功報酬金はご依頼内容が終了したときに、その成功の度合いに応じてお支払いいただく費用となります。
さらに、弁護士事務所によっては、裁判手続き等を行う場合、追加着手金という名目で手続きごとに追加の費用がかかるケースがあります。
たとえば、調停の場合は、10万円を追加し、審判の場合は、さらに10万円を、訴訟の場合は、また10万円を追加するなどです。
また、書類の作成をご依頼いただく際には、着手金と成功報酬金という形ではなく、手数料という形でいただく場合があります。
これは、書類の作成だと、成功不成功という概念がなじまないため、書類等を作成したこと自体に対する手数料としての費用です。
その他に、実際にかかった時間に応じて報酬をいただく時間制報酬(タイムチャージ)という場合もあります。
また、ご依頼を進めるにあたってかかる実費については、別途ご負担いただくことがあります。
なお、実際の名称については、それぞれの弁護士事務所により異なる場合がありますので、詳細は、ご相談いただく弁護士事務所にご確認ください。
2 費用の決まり方について
⑴ 弁護士の費用の考え方
弁護士の費用の考え方としては、以下の2つがあります。
① お客様がご依頼した内容について、お客様にどれだけ利益がもたらされるかにより費用が変わるという考え方。
② 実際に業務によりかかる時間に応じて費用が変わるという考え方。
上記2つのうち、着手金と成功報酬金という体系で費用をいただくのは①の考え方、時間制報酬により費用をいただくのは②の考え方によります。
手数料は、実際にかかるであろう見通しを踏まえて手数料額を決めるため、②の考え方によるといえます。
⑵ 相続分野における費用の決まり方
相続分野については、一般には以下のように考えられます。
相続放棄、遺言書作成等の場合には、業務にかかる時間の見通しが比較的立てやすいことから、②の考え方に基づき、定額であるほうがお客様にとって便宜であることから、手数料とすることが多いといえます。
遺産分割、遺留分侵害額請求などの紛争の場合には、弁護士の力量によりお客様が得る利益が変わるため、その利益の額に応じて費用をいただくことが納得しやすいこと、実際にかかる時間がわからず、時間制報酬では想定以上の高額になる可能性があることから、①の考え方に基づき着手金及び成功報酬金とすることが多いといえます。
3 相続の弁護士費用の目安について
以前は、弁護士の費用は日本弁護士連合会報酬等基準に定められており、各弁護士は同基準に従った費用をいただいておりました。
しかし、弁護士法の改正により、弁護士費用が自由化されたため、いくらかかるかは各弁護士により様々となっています。
たとえば、遺言書作成の場合、弁護士費用として、一般的に15万円~30万円程度の事務所が多い印象です。
他方、遺産分割の場合、着手金で10万~40万円、成功報酬で十数パーセントという事務所が多い印象です。
もっとも、事務所ごとによって、着手金が0円であるところや、遺産分割などの紛争案件でも、時間制報酬を採用しているところもあり、実際の費用については、ご相談される事務所にお問い合わせください。
当法人の場合だと、遺産分割によりお客様が実際に得た利益が2000万円の場合、相続財産の範囲及び相続分に争いがない場合には、着手金0円、報酬金130万円に消費税を加えた金額と、その他実費等をいただくこととなります。
なお、事件等の内容及び難易度並びに相続人の数等に応じて、減額あるいは増額する場合や、時間制報酬とする場合があり、詳細は、ご相談の際にお伝えいたします。