寄与分がある場合の遺産分割
1 寄与分という制度を知らないことで大きな損をすることも
亡くなった方の財産の維持・増加に何らかの貢献をした場合、寄与分が認められることがあります。
たとえば、亡くなった方の事業を助けるために、長年無償で働いたり、お金を出したりした結果、300万円の寄与が認められた場合、遺産の取り分が300万円増えることになります。
また、亡くなった方のために、24時間体制で長年介護をされた場合なども寄与分が認められる可能性があります。
そのため、遺産の分け方を決める際は、寄与分の制度をしっかり理解する必要があります。
2 寄与分の種類は様々
寄与分は、「亡くなった方の財産の維持・増加に特別な貢献をした場合」に認められます。
その方法は、いろいろな種類があります。
たとえば、介護を頑張ったという寄与分を主張する場合があれば、亡くなった方の事業に財産的な寄与をしたという寄与分の主張もあり得ます。
まずは、どのような寄与分を主張したいのかを明らかにする必要があります。
3 寄与分の証拠を集めましょう
介護を頑張った結果、亡くなった方の財産の維持・増加に貢献したという場合は、たとえば「本来ならプロの業者にお金を払って介護してもらうところを、私が介護を行った結果、業者に払うお金を節約できた」という主張になります。
そのため、本来はプロに任せるべきと言えるほどに重い介護であったことや、プロに任せた場合の費用等の立証をすることになります。
他方、亡くなった方の事業に貢献したという場合、たとえば「亡くなった方が個人事業で、金融機関から融資を受けることができなかったため、300万円を亡くなった方に渡し、事業の継続ができた」という主張になります。
こういったケースでは、亡くなった方にお金を贈与した旨の証拠を集めることになります。